にしのひがしの

小説家志望の女が本の感想を書いてゆくブログ。

がちめ記事

しずけさ 町屋良平 文学界5月号

あらすじ 鬱で仕事を辞め、自宅療養中の青年・棟方と、小学校五年生の笹岡樹が深夜の久伊豆神社で出会う。樹は大麻を栽培している両親により夜の二時から六時まで家を追い出されるため、警察に捕まらないよう、毎晩神社で時間を潰していた。棟方(「かれ」)…

2018年7月〜8月に読んだ本

7月〜8月に読んだ本で、記事を書いていなかったものをまとめました。 (案の定)長くなりましたが…。一冊あたりは短いので読んでみてください。 優しい鬼 レアード・ハント 奴隷制があった時代の、中西部(ケンタッキー州シャーロット郡…『パラダイス』)…

大江健三郎『個人的な体験』『狩猟で暮した我らの先祖』『人生の親戚』『鳥』

最近わりと大江健三郎を読んでいました。個人的な感想メモを書き留めておきたいと思います。 個人的な体験(第11回新潮文学賞受賞作) 大江健三郎の作品は彼独自の哲学や思索のシュミレーションというか、あるひとつの実験的な世界という側面が強い。こう、…

女性の性についての映画〜「ノルウェイの森(2010)」感想

原作:村上春樹 監督・脚本:トラン・アン・ユン 主演:松山ケンイチ ★★★★☆ やっと観ました。レビュー見ると結構酷評多いですね。ハルキストとか、ノルウェイの森がすごく好きって人とかいて、原作とは比べものにならない、って結論が多い。コアなファンほど…

英語学習挫折した方に〜NetFlixで「リトルウィッチアカデミア」を英語字幕・英語音声で見るのはオススメという話

こんにちは、にしのです! 今回は珍しく英語の学習法についてです。備忘録の意味も込めて書いておきたいと思います。まあ、タイトルの通りなのですが、個人的にはすごく自分にあってるなー!と思うので、参考にしていただければと思います。 自分の英語スキ…

井上荒野『切羽へ』感想

(2008年 第139回直木賞受賞作) 読みました。 ずっと「せっぱ」だと思って読み進めてたんだけど、「きりは」って読むんですね。切羽詰まる、の切羽ですよね。意味は同じなのかな。 解説が山田詠美さんで、昔好きだったのでそれもあって読みました。 …

『高い城の男』 P.K.ディック 感想

頑張って一週間くらいで読みました。読みましたけど。 論点というか、主眼はどこなのか混交している印象が強い。ぼやけている。 ヒトラーとかユダヤ人のことなのか、易経のことなのか、政局のことなのか、戦勝国と敗戦国間の人種的軋轢のことなのか、謎めい…

告白(映画)感想・批評比較・分析

原作未読です。ざっくり言うと、あまり良いとは思えませんでした。引き込まれはしなかった。 告白 (双葉文庫) (双葉文庫 み 21-1) posted with カエレバ 湊 かなえ 双葉社 2010-04-08 ディープラブとか山田悠介を支持してた小学生高学年〜中学生がメイン客層…

東京と、孤独と、スマホ〜『リップヴァンウィンクルの花嫁』感想

見ました。※がっつりネタバレしてます 岩井俊二監督は『リリイ・シュシュ』と『四月物語』を見たことがあります。ただ、どちらもリアルタイムではなかったので、どうも古い感じがしてピンとこなかったんです。 四月物語 [DVD] posted with カエレバ 松たか子…

ウルフ「灯台へ」感想

ご無沙汰してました、にしのです! 閲覧有難うございます。先日ヴァージニア・ウルフ「灯台へ」を読み終わりました。初ウルフ作品でした。 灯台へ/サルガッソーの広い海 (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 2-1) ヴァージニア・ウルフ,ジーン・リース 河出書房…

「怪盗グルーの月泥棒」感想〜ミニオンとまっくろくろすけ・他

おはようございます。にしのです! 昨日ミニオンズを初めて見ました。感想を書いてきたいと思います。 www.youtube.com えっと、まず、めちゃめちゃ面白くてびっくりしました。ちょっと非の打ち所が、ないレベルですね。ディズニーのズートピアとかシュガー…

TOKYO FMサンデースペシャル 『人生に、文学を。』 第一回 桐野夏生・谷崎潤一郎感想

夏風邪でダウンしておりました(若干今も)、にしのです。だんだん風邪が良くなってきたときに、自力で本を読むのも、映画や動画を見るのも、ちょっとキツいなっていうタイミングがありました。暇なんだけど視覚情報に集中するのが辛いっていうか。なので、…

メンヘラ女とダメ男〜「地下街の人々」ジャック・ケルアック

お久しぶりです。こないだ人生で初めて財布を盗られました。にしのです。しんどいです。 今日は「地下街の人びと」のレビューを書いていきます。古本屋で100円で書いました。 一言で言うと、メンヘラ黒人美女・マージと、ヒッピー三十路男・レオが共感し…

男と女と「楽園」としての南の島〜モーム『月と6ペンス』

5日ぶり(?)です。お久しぶりです。 この5日でバイト始めて辞めました。。時間ができたので、また今日から更新していきたいと思います。今日は七月に読み終わっていたモームの「月と6ペンス」のレビューめいたものを書いてみます。宜しくお願いします。 …

「娚(おとこ)の一生」レビュー

原作未読です。あ、一巻だけは読んだかな。逃げ恥の前、のだめの後、ヤマシタトモコと同時期で、大人向けの少女漫画ブームの先駆けだったような。 映画自体の完成度は、60点くらいかな。美術とか、雰囲気とかはすごく良かったです。榮倉奈々も演技が上手く…

殺人を犯す青年たち〜「太陽がいっぱい」パトリシア・ハイスミス

さて、今日は「太陽がいっぱい」の主人公・美しき犯罪者にして、大胆かつ繊細な24歳の青年、トム・リプリーについて書きたいと思います。映画は見てないです。最近「キャロル」が話題になって、女性同士の恋愛って珍しいなあという感想を抱いてたくらいで…

映画とイデオロギー〜『瓦礫の天使たち―ベンヤミンから“映画”の見果てぬ夢へ』

映画論めいたものを読みたいなと思ってたのと、表紙がクレーの絵で惹かれました。クレーが好きなので。 ちょっと自分でもどう書けばいいのかよくわからないですが、試行錯誤しながらやりたいと思います。 【章立て】 序章 喜劇の女王―“無声映画”の未完のプロ…

「苦役列車」感想

記事一発目です。にしのといいます。よろしくお願いします。 映画や本の感想考察を細々書き綴っていこうかと思います。できるだけわかりやすくがんばります。 よろしくおねがいします。 今回はこれです。 苦役列車 発売日: 2013/11/26 メディア: Amazonビデ…