にしのひがしの

小説家志望の女が本の感想を書いてゆくブログ。

SEVEN感想 *短め

  

ブラピのちょっと単純で肉体派で、いかにも男って感じがいいし、モーガンフリーマンのちょっと頑固?だけど、優しくて鋭い感じとよく合ってました。バディものとしてもとってもいいバランスです。
映像美がとにかくすごかった! ワンシーンワンシーンもそうだし、オープニングやエンドロールのセンスも好きです。ホラーとかサスペンス映画って、何で光と影がこんなに綺麗なのか。冷えた白や青の色合いが好みでした。
カメラワークもよくて、、犯人を追ってるときのふっと下にそれてドキッとさせたり、変に広いところから撮って余白で不安にさせたり、犯人の自首シーンでの一瞬の違う角度からの挿入とか、とにかく凝ってる感じがしました。特に、最初は一部しか映さないけど、最後にパッと全体像、みたいな見せ方が好きだなと思います。街並みとか、空からの眺めとか。
脚本は何であんなふうにしたのか。。ラストシーンはあれでよかったんだろうか。結果の是非をいうつもりはないんだけど、ちょっと尻切れトンボ感があったような気がするんだけど、大丈夫だったのかな。バッドエンド自体は全然良いんだけど…。

ミルの家が地下鉄のそばで揺れる、という設定と描写は何だったのでしょう。何となくすごく好きでした。意味のなさみたいな、リアリティみたいなものが。あと、それで初めて笑うサマセットも良かったし、あそこでふわっと空気が打ち解ける感じの力がすごくあった。「四季」(だよね)に合わせて、失楽園とか地獄の挿絵などが挟まれていくのもいいし、やっぱ場面づくりが凝ってるなあと。
犯人役の人の、奇妙に柔らかくて、静かで、隙のない話し方も良かったですね。適度に人間みが感じられて。
コメディやアクションとかのテンションの高さに疲れるときがあるので、サスペンスやホラーのアンニュイな雰囲気が性にあうのかもしれないです。
セブンは最初はよくわからなくて「?」ってなったけど、静けさというか、少し冷えていて、哲学的?な雰囲気が良いなと思います。引き込み方もうまい。
WikiにはSEVENの画面作りやコンセプトに関しての記述がありました。

 

.フィンチャーは「フリードキンエクソシストの後に作ったかもしれない種類の映画」としてセブンを製作した。彼は映画撮影技師のダリウス・コンジと仕事をし、「肩越しに後部座席から徐々に見えるようカメラを動かす」というような(全米警察24時 コップスの影響を受けた)単純な撮影技法を採用した[9]銀残しという現像の手法を使い、コントラストの強い映像となっている。特に捜査官が用いるゴム手袋、図書館のライト、街頭で配られるクーポン券など、淡いグリーンの配色に執着している。
フィンチャーが示したかったように、騒々しい住人や常に降り続くように見える雨、込み合った都市の通りは本作の不可欠な要因である。「汚い、暴力、倫理の欠如といった、憂鬱にさせる表現。視覚的に、そして文体的に私たちはこの世界を描写したかった。できるだけ本物で、かつ生きるためには必要とされるものすべてを」。この目的のために、陰気で、しばしば不気味な世界を作るようデザイナーのアーサー・マックスは注文された。「私たちは、都市の中の人々のモラルの腐食を反映させるためセッティングした」とマックスは述べている。

セブン (映画) - Wikipedia)

 

これを読む限り、やっぱり私が印象的だった表現は、意図して演出されたものみたいですね。でも、グリーンは気づかなかったな。そういえばDVDジャケットも淡い緑が使われてます。どういう意図でこの色を選んだんだろう。苔とか、退廃の色…?

でもどれだけ監督が退廃的に映そうとしようとしても、街並みを美しいと感じてしまうのは日本人の感覚なのかな。最初の人が殺された部屋とか、犯人が潜んでいるアパートとか、そういうのは嫌な感じだったけど、街並みは、アンニュイさまで綺麗だったし、ヘリで飛ぶときに見えた、等間隔な四角いビルディングも綺麗だった。
雨の強さとか、雑にコーヒー渡す感じとか、そういうのまでオシャレだったですね。
日本の田舎のもの寂しさは画にならない殺伐さがあるから、そこでホラー映画撮ったらどうなるんだろう。でも、とうもろこし畑と田んぼじゃ話にならないですね。。比較で次は日本のホラー映画を見てみようかな。

今日は短めですけど、このへんで。

これから短めの記事を短めのスパンであげるというのも試してみようと思います。
お読みいただきありがとうございました。