「ナイトクローラー」ゆる感
ナイトクローラー:★★☆☆☆:
ダン・ギルロイ監督 ジェイク・ギレンホール主演/米
インディペンデンツ・スピリット賞 脚本賞・新人作品賞受賞
見ました。
最初は高卒の与太者が天職見つけて成功するサクセスストーリーなのかと思ったけどちょっと違いました。じわじわと主人公のパーソナリティがわかって来て怖い。
アシスタントの男の子が徹頭徹尾不憫。悪いことしてないのに…。
ポスター改めて見て、「人の破滅の瞬間に現れる」が基本コンセプトなら、もっとその面を如実に押し出していっても良かったのではなかろうか。破滅の瞬間を撮っていく、というよりは、人に教えられたとおり、集目性のある事件や事故の写真を追い求めていくことに焦点が当てられていたような…。
もっと死神のような不吉なイメージを出したほうが、個人的には好みだった。
基本的に主人公無双な感じのお話。でも、あの人は寝ちゃいけなかったと思う…。
「アンタの人格は最低だけど、腕だけは確かよ」みたいなスタンスでうまく付き合っていけなかったものか。最初のサバサバ女上司感がよかったんだけどな。最後にはすっかり主人公に陶酔しちゃって、「彼がみんなを成長させたの」って言っちゃうのもなんかな〜って思った。
なんというか、普段悪役側がやっていることを主人公の人がやって、因果応報でもなく、成り上がっていくみたいな感じ。王道を裏返したのが受けたんでしょうか。アカデミー賞ノミネート作品らしいし。
ちょっとぐぐったら、前田有一さん?のブログでは、
・エスカレートするテレビ局の視聴率至上主義への批判
・ブラック時代の成功マニュアル
の二要素、特に後者が受けたのではないかと書かれていて。起業して一攫千金を夢見る人には結構響く映画だった模様。
[…中略]
そこにこの映画のもっとも優れた問題提起がある。サイコパスでなければ成功できない、そんな世の中を作り上げてしまった私たちへの、これは痛烈な批判である。
ルイスの行動力や抜け目なさは本当に格好よいので、思わず共感してしまうところがまた恐ろしい。明らかに人間的に間違っているルイスは、現代では目指すべき成功者の資質を誰よりも持っているというわけだ。
はたしてこれをみても、気軽に若者たちに起業しろといえるのかどうか。起業とはここまで覚悟し、大切なものを捨て去る覚悟がないとうまくいかないよと、この映画は言っている。そしてそれは、私が思う限り間違っていない。
私はあまりピンとこなかったかな。でも、退屈しないで最後まで観れたので良かったです。展開にはあまり納得いかなかったし、取り立ててよい映画とも思えなかったけど。
マイク・ギレンホールはいろんなところで褒められてるみたいなので、機会があったらちがう映画も見たいです。