にしのひがしの

小説家志望の女が本の感想を書いてゆくブログ。

2022-01-01から1年間の記事一覧

本谷有希子『How to burden the girl』―美少女とオタクの現代民話

最近大塚英志の『サブカルチャー文学論』を読んでいた。大塚氏は大学時代民俗学を専攻し、自身の著作や批評にも民俗学的切り口が多く見られる。非常に納得させられるものがあり、氏の論考はかなり好きだ。 サブカルチャー文学論 作者:大塚 英志 発売日: 2004…

書記バートルビー

まったくの虚無状態に陥り次第に何もしなくなっていくバートルビー。そんな男と相対した人間の、戸惑い、苛立ち、同情、疑い、諦め、保身、親切心、寂寥といった心の機微が書かれる。「しない方がいいと思います」。どんな要望もそう返され、静かに無視され…